馴染みのあるかぜは、正式には「かぜ症候群」といって、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、咳、痰などを主な症状とする上気道（鼻やのど）の急性炎症の総称です。熱、のどの痛み、全身のだるさ、食欲の低下などを伴う場合があり、熱はあっても微熱程度で、頭痛や全身のだるさなどの全身の症状も軽いという特徴があります。

きちんと治さないとその後、気管支炎や肺炎に進行する場合もありますので、治療開始後も症状がすっきりしない場合には再度来院されることをお勧めします。

高血圧症とは、繰り返し血圧を測ってみて、いつも高値が続く状態を指します。長期間にわたり血圧が高くなる結果、心臓、眼、脳、大動脈、腎臓など体の中にある臓器に問題が起こります。そのまま高血圧の状態を放置しておくと、全身の血管が動脈硬化を起こし、脳梗塞や心臓病、腎臓病などの重大な病気になる危険性が高まります。健康診断などで指摘され、40歳以上の45%が高血圧症であるとも言われており、一般的に高血圧症が存在してもあまり症状がなく、ひっそりと臓器にダメージを与えるため、症状のないサイレントキラーといわれます。

治療はお薬だけでなく、塩分摂取を減らす、体重を適切なものにする、運動を行う、アルコール摂取量を減らす、野菜・果物の摂取を増やす、などの生活習慣の改善も重要です。気軽にご相談ください。

高脂血症とは血液中の「悪玉」と呼ばれるLDLコレステロールや中性脂肪が増えたり、「善玉」のHDLコレステロールが減ったりした状態のことをいいます。この状態を放置していると動脈硬化が起こり、脳梗塞や心筋梗塞といった動脈硬化性疾患をまねくリスクが高まります。

高脂血症の発症には、過食、運動不足、肥満、喫煙、過度な飲酒、女性の閉経、ストレスなどが関係しているといわれています。症状に合わせて生活習慣の改善や適切な薬物療法を行います。

糖尿病とは、膵臓から分泌され血液中の糖を下げるホルモンであるインスリンが十分に働かないために、血液中のブドウ糖の濃度（血糖値）が高くなる病気のことをいいます。糖尿病で亡くなる方は、全世界で10秒に1人とされており、現在では「糖尿病の制圧の必要性」が叫ばれるほどに非常に重大な病気です。

日本人で圧倒的に多く、生活習慣病の一つとされているのが2型糖尿病です。その発症には、インスリンの分泌不足といった要因に加え、過食、運動不足、肥満、ストレスといった生活習慣が関係しているといわれています。
まず糖尿病が疑われた場合には、しっかりとした診断とどのタイプの糖尿病なのかを調べ、それに合った治療を考えることが重要です。血糖の異常があれば、ぜひご相談ください。

気管支喘息（ぜんそく）は、日本の成人で3〜4%、小児で7〜10%に見られる珍しくない病気です。1980年頃は1年のうちにこの病気で亡くなる人が6,000人以上いる状況で患者様の生活に大きな影響を与える大変な病気でした。

その後吸入ステロイドを使用することが広まり、2021年で1,500人を切るまでにこの病気で亡くなる人が減少しました。最近は、「軽い」病気と思われている一方で日々の生活に影響し、この病気で亡くなる人も数多くいる重要な病気であり、早期の診断および治療が大切です。

逆流性食道炎は、強い酸性の胃液（胃酸）が胃の内容物とともに食道に逆流することにより、食道が傷つき、炎症を起こすことで発症します。強い酸性の胃液や胃で消化される途中の食物が、食道に逆流して、食道が炎症を起こし、胸やけや胸の痛みなどさまざまな症状が生じます。

逆流性食道炎が起こる原因は、ストレスや喫煙、飲酒、食べ過ぎや早食いなどの生活習慣や加齢、肥満、姿勢、食道裂孔ヘルニアなどにより胃酸が増えすぎてしまったり、胃酸の逆流を防ぐ機能が正しく働かなかったりすることにあります。胃酸がのどまで上がってきて酸っぱいと感じるようになったり、胸やけやのどがヒリヒリしたりして不快感が続きます。
現在では逆流性食道炎の治療は薬物療法が主体ですが、生活習慣の改善も必要となることも多いです。

また、薬物治療の効果が乏しい場合や、食道炎が重症化して、食道が狭くなったり、出血を繰り返したりするような方には、手術により逆流を防止する外科的治療が行われることがあります。
胸やお腹のあたりに違和感がある場合、重症化する前にご相談ください

急性胃炎は、様々な原因で胃の粘膜に炎症を起こす病気で、急激に発症します。症状としては、激しい腹痛や胃の不快感、吐き気などの症状を生じます。

主な原因としては痛み止め（非ステロイド性解熱鎮痛薬）や向精神薬などの薬剤によるもの、食べすぎや飲みすぎによるもの、アルコールや喫煙によるもの、細菌、ウィルス、真菌感染によるもの、成人のピロリ菌初感染によるものなどが考えられます。

慢性胃炎の典型的な症状としては、みぞおちの痛みや不快感、膨満感、食欲不振、胃のむかつきなどがあります。中には、食後に胃が重く感じたり、ゲップや胸やけのような症状を訴える方もいます。

炎症が慢性的に続くことで、胃の粘膜が徐々に薄くなり、萎縮していく「萎縮性胃炎」へと進展することが多くあります。このような状態では、胃酸や消化酵素を分泌する機能も低下し、食べ物の消化に影響を及ぼすだけでなく、胃がんのリスクも高まることが知られています。ただし慢性胃炎は長い時間をかけて進行するため、自覚症状が乏しいことが少なくありません。

また、無症状であっても胃の中では炎症や萎縮が進んでいる場合があり、健診や人間ドックでの内視鏡検査で初めて指摘されるケースも増えています。症状の有無にかかわらず、定期的な検査が重要です。少しでも違和感があればご相談ください。